top of page

なぜ「普通の学習塾」だけでは英検対策が難しいのか?

17 時間前
読了時間: 10分

― 文法を勉強しているのに、なぜ英検に受からないのか ―




「学校の英語の成績は悪くないのに、英検になるとなかなか合格できない」

「塾で週2回も英語を勉強しているのに、リスニングがまったく伸びない」

「文法問題は解けるのに、長文になると時間が足りない」

このようなご相談を、私たちは少なくありません。

そこで保護者の方に、ぜひ知っていただきたいことがあります。

学校英語や定期テスト対策を中心とした一般的な学習塾の英語指導と、英検に合格するための指導は、同じ「英語」でも目的とトレーニング方法がかなり違います。

もちろん、すべての学習塾に英検指導力がないという意味ではありません。英検専門コースを設け、4技能をしっかり指導している学習塾もあります。しかし、「単語を覚える」「文法を説明する」「問題集を解く」「学校のテストで点を取る」という指導だけでは、英検対策として十分とは言えません。

なぜなら、英検が測っているのは単なる「英文法の知識」ではないからです。

英検は「文法の試験」ではない

まず、ここを理解することが重要です。

英検3級以上では、

Reading(読む)Listening(聞く)Writing(書く)Speaking(話す)

という4技能が評価されます。

英検協会も、英検CSEスコアについて「技能ごとにスコアを均等に配分」していると説明しています。つまり、文法と単語だけを一生懸命勉強して、Readingだけで他の技能をカバーする、という発想では通用しにくい試験なのです。

英検協会自身も「合格するためには、技能のバランスが重要」と明記しています。

ここが、学校の定期テスト対策を中心とする英語学習との大きな違いです。

弱点① リスニングは「問題を解くだけ」では伸びにくい

英検対策で大きな差が出るのがリスニングです。

例えば英検2級では、Reading・Writingに加えて、約25分間のListeningがあります。

ところが、一般的な塾では授業時間に限りがあります。

学校の定期テスト対策、文法、単語、長文、宿題の解説などを優先すると、どうしてもリスニングトレーニングに十分な時間を割きにくくなります。そして、リスニングで最も注意したいのが、

「音源を聞く → 問題を解く → 答え合わせをする」

だけで終わってしまうことです。

これは「リスニングのテスト」であって、必ずしも「リスニングのトレーニング」ではありません。必要なのは、

聞く ↓ 聞き取れなかった部分を確認する ↓ 英文を見て意味を確認する ↓ 語彙・音のつながり・発音を確認する ↓ もう一度聞く ↓ 音読する ↓ 自分でも発音する ↓ 再び音源だけで理解する

という反復です。

つまりリスニングは、「聞いた量」だけではなく、「聞けなかった原因を分析して修正した量」が重要なのです。

英検公式サイトでも、実際の過去問題とともにリスニング音源が公開されており、準2級では複数Partにわたるリスニング問題が課されています。

英検を本気で目指すなら、リスニングを「授業の最後に少しやるもの」にしてはいけません。

リスニングそのものを一つの技能として計画的に育てる必要があります。

弱点② 「長文を解かせる」ことと「長文の読み方を教える」ことは違う

英検で次に差がつくのが長文読解です。ここにも大きな誤解があります。長文問題をたくさん解けば、自然に長文が読めるようになる。必ずしもそうではありません。

大切なのは、

「何を読むか」以上に「どう読むか」を教えることです。


例えば準2級では、Eメールや説明文などを読んで内容を理解する問題が出題されます。2級でも説明文やEメール等の長文を読み、内容一致問題などに答える必要があります。

しかも、級が上がれば必要な読み方も変わります。

5級・4級レベルなら、基本的な語順や短い文章を正確に理解する力が重要です。

3級・準2級になると、段落単位で内容をつかみ、「誰が」「何について」「なぜ」「どのような理由で」といった情報を整理する力が必要になります。

さらに2級以上では、

一文ずつ日本語に訳しているだけでは、時間が足りなくなる可能性があります。

必要なのは、

・段落ごとの要旨をつかむ ・接続表現から論理展開を読む ・設問から必要な情報を探す ・代名詞が何を指しているか判断する ・筆者の主張と具体例を区別する ・未知語があっても文脈から意味を推測する

といった「読解技術」です。

つまり、

長文問題を宿題として与えるだけではなく、「英検○級の文章をどう読むか」まで指導する必要があります。

弱点③ 文法を「知っている」と英語を「使える」は違う

もちろん、文法は重要です。私たちも文法を軽視しているわけではありません。

むしろ、正確なReading・Writing・Speakingを身につけるためには、文法は必要不可欠です。

問題は、

文法学習が英語学習のゴールになってしまうことです。

例えば、 「現在完了の形は?」と聞かれて、

「have+過去分詞」と答えられる生徒でも、

「私は3年間英語を勉強しています」を瞬時に英語で言えるとは限りません。

これは、

文法について知っていることと、その文法を使って英語を運用できることは別だからです。

英検が求めているのは後者です。

特に3級以上では二次試験としてSpeakingがあり、2級では一次試験でも英文要約と英作文が課されています。

つまり、

「これは現在完了です」と説明できるだけでは足りません。

実際に、

読む。聞く。書く。話す。

ところまで英語を使わなければならないのです。

英検協会も「使える英語力」には4技能を伸ばすことが重要だと説明しています。


弱点④ 「英語を使う時間」が不足しやすい

英語は知識科目であると同時に、技能科目です。

数学の公式や社会の用語を覚えることとは少し性質が違います。

例えば、泳ぎ方の説明を100時間聞いても、実際に水の中で泳ぐ練習をしなければ泳げるようにはなりません。

英語も似ています。

文法説明を聞く。

単語を覚える。

問題集を解く。

もちろん、すべて必要です。

しかし、それだけでなく、英語を聞く。英語を声に出す。英語で質問に答える。自分の意見を英語で書く。相手の質問を聞いて英語で返す。

という「英語を実際に使う時間」が必要です。

文部科学省も、英語教育において「生徒の英語による言語活動」を重要な指標として継続的に調査しています。令和5年度調査では、「授業時間の半分以上で言語活動を行っている」学校は、中学校では75.1%だった一方、高校では54.3%でした。

学校教育そのものも、知識中心から「英語を使う教育」へ転換しようとしています。

英検対策なら、なおさらです。

弱点⑤ 学校の英語と英検対策では「ゴール」が違う

一般的な学習塾では、学校の成績を上げることも重要な役割です。

そのため、学校の教科書定期テスト文法問題単語テスト高校入試・大学入試問題

などへの対応が中心になるのは、ある意味当然です。

しかし英検には、英検独自の出題形式があります。

例えば英検2級では、

語彙問題長文読解英文要約英作文リスニング二次試験(面接)

まで対策しなければなりません。

つまり、

「学校の英語を勉強していれば、その延長線上で自然に英検にも合格できる」

とは限りません。

学校英語の基礎力は必要です。

しかし、

学校英語+英検に特化したトレーニングが必要なのです。

そして今、英検は「持っていたら少し有利な資格」ではありません

ここは特に中学生・高校生の保護者の方に知っていただきたいポイントです。

現在、英検をはじめとする外部英語検定を大学入試に利用する大学は多数あります。

利用方法も、

出願資格得点換算加点試験免除判定優遇

などさまざまです。

英検協会の2026年度入試向け活用校検索でも、多数の大学・学部で英検の利用を確認できます。文部科学省も、大学入学者選抜において、「聞く・読む・話す・書く」の4技能を測定できる資格・検定試験の結果を活用することについて示しています。

さらに、旺文社が2026年度版として公表した大学受験実態調査では、英語外部検定を入試に利用した受験生のうち、利用した検定として「英検」と回答した割合は92.2%でした。

これは非常に重要なデータです。

英検は単なる「英語力を証明する資格」ではなく、

大学入試戦略そのものに組み込まれる資格

になっているのです。

だから英検は「高校3年生になってから」で考えない

大学受験で英検を利用する可能性があるなら、高校3年生になって突然始めるのではなく、中学生から段階的に英語4技能を育てていく方が合理的です。


例えば、

中学生で3級・準2級

↓

高校初期で準2級プラス・2級

↓

高校生で2級の高CSEスコア、さらに準1級へ


というように、長期的に英語力を積み上げる考え方です。


重要なのは「級」だけではありません。

大学によっては級だけでなくCSEスコアやCEFRレベルを条件として利用するケースがあります。実際、英検協会の大学入試活用検索でも、英検級だけでなくCSEスコアを指定して検索できる仕組みになっています。

だからこそ、

「とりあえず2級に合格したら終わり」ではなく、大学入試まで見据えて4技能のスコアを伸ばしていくこと

が重要なのです。

英検対策の塾を選ぶなら、ここを確認してください

では、保護者はどのような基準で英検対策の教室を選べばよいのでしょうか。

「英検対策あり」と書いてあるだけではなく、少なくとも次の点を確認することをおすすめします。

① リスニングを毎週トレーニングしているか

問題を解くだけではなく、聞き取れなかった原因まで指導しているか。

② 級別の長文読解法を教えているか

単に「長文を解いてきてください」ではなく、文章構造や設問へのアプローチまで指導しているか。

③ ライティングを実際に添削しているか

模範解答を見せるだけではなく、生徒本人が書き、修正し、もう一度書くところまで行っているか。

④ 英語を話す時間があるか

二次試験直前だけではなく、普段から英語で質問され、英語で答える環境があるか。

⑤ CSEスコアまで分析しているか

「合格・不合格」だけではなく、Reading・Listening・Writing・Speakingのどこが弱いのか分析しているか。

⑥ 大学入試まで理解しているか

英検取得を資格取得だけで終わらせず、総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜にどう活用できるのかまで説明できるか。

この6つが重要です。

英検合格に必要なのは「文法か英会話か」の二択ではない

私たちが最も避けたいのは、「受験英語だから文法だけ」

あるいは、「英語はコミュニケーションだから英会話だけ」という二者択一です。

どちらも必要です。

文法を理解する。語彙を増やす。長文を読む。英語を聞く。自分の考えを書く。英語で話す。

これらを一つにつなげることが、英検対策です。

だからこそ、英検対策では、

「英語を勉強する授業」から、「英語を使えるようにする授業」へ発想を変える必要があります。

まとめ|英検は「学校英語の延長」だけで考えない

学校英語も、文法も、定期テスト対策も重要です。

しかし、それだけで英検対策が完成するわけではありません。

英検では、

Reading × Listening × Writing × Speaking

という複数の技能が問われます。

そして大学入試では、英検の級やCSEスコアを、出願資格・得点換算・加点・試験免除などに活用する大学があります。

だから私たちは、

「学校のテストで点を取れる英語」だけではなく、「英検で結果を出せる英語」、さらにその先の「大学入試で使える英語」まで育てることが重要だと考えています。

文法だけでもない。

英会話だけでもない。

英会話 × 文法 × 英検対策。

「話せる英語」と「得点できる英語」の両方を身につける。

それが、これからの小学生・中学生・高校生に必要な英語教育ではないでしょうか。

(参考資料)

・公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアでの合否判定方法について」

・公益財団法人 日本英語検定協会「2級の試験内容」

・公益財団法人 日本英語検定協会「準2級の試験内容」

・公益財団法人 日本英語検定協会「英検・TEAP・IELTS 活用校検索」

・文部科学省「英語教育実施状況調査」

・文部科学省「大学入学者選抜における総合的な英語力評価」関連資料・旺文社「2026年度版 高校生の大学受験実態調査」

※大学入試における英検の利用条件は大学・学部・入試方式・年度によって異なります。受験年度の最新の募集要項を必ずご確認ください。

 
 
 

コメント


bottom of page