小学高学年から伸ばしたい「英語のリスニング力」

― タッチペンだけでは英会話が身につかない理由 ―
「英語の音声教材を毎日聞いているのに、なかなか英語が聞き取れるようにならない」
「タッチペン教材では発音できるのに、外国人の先生に話しかけられると答えられない」
小学高学年になると、このようなお悩みを保護者の方から伺うことがあります。
もちろん、タッチペンや音声教材はとても便利です。
単語をタッチすれば正しい発音を何度でも聞くことができ、自分のペースで繰り返し学習できます。特に、英語を始めたばかりのお子さまにとって、「英語の音に慣れる」という点では大きなメリットがあります。
しかし、ここで気をつけたいことがあります。
「英語の音を聞くこと」と「英語を聞いて理解し、会話すること」は同じではありません。
タッチペンでは「会話のキャッチボール」ができない
実際の英会話では、
「相手の英語を聞く」
「意味を理解する」
「何を答えるか考える」
「英語で答える」
「相手の次の言葉を聞く」
という流れが短い時間の中で繰り返されます。
たとえば、
“What did you do last weekend?”と突然聞かれたとします。
子どもは「last weekend=先週末」「did=過去のこと」と聞き取り、
“I played soccer.”など、自分の経験に合わせて答えなければなりません。
さらに先生から、
“Who did you play with?”と聞かれれば、今度はその質問を聞き取って、また自分で答えます。
これが「会話」です。
タッチペンは正しい英語を何度でも聞かせてくれますが、子どもの答えによって次の質問を変えてはくれません。
ここに、音声教材と実際の英会話の大きな違いがあります。
小学高学年から大切になる「聞いて、考えて、答える」力
小学1〜3年生頃までは、英語の歌を聞いたり、単語を真似して発音したりするだけでも、英語の音に親しむ良い学習になります。
しかし、小学4〜6年生頃からは、もう一段階上の学習に進みたい時期です。
ただ英語を「聞く」のではなく、
聞く → 理解する → 考える → 自分の言葉で答える
という練習を増やしていくことが重要です。
特に英検や中学校以降の英語では、知っている単語を聞き取るだけではなく、英文全体の意味を短時間で理解する力が求められるようになります。
リスニング力を伸ばすには「アウトプット」も必要
意外に思われるかもしれませんが、リスニングを伸ばすためには、聞くだけではなく自分で英語を話す練習も大切です。
自分で発音できる単語や英文は、音として認識しやすくなります。
そのため、
英語を聞く→ 真似して発音する→ 質問を聞く→ 自分で答える→ さらに質問される
という練習を繰り返すことで、英語を「知識」として覚えるだけでなく、実際に使える力へとつながっていきます。
タッチペンは「悪い教材」ではありません
ここで誤解していただきたくないのは、タッチペン教材が良くないということではありません。
タッチペンは、
単語の正しい発音を確認する
何度も繰り返し聞く
家庭で英語に触れる時間を増やす
といった学習には、とても便利です。
大切なのは、タッチペンだけで英会話まで身につけようとしないことです。
家庭ではタッチペンや音声教材でインプットする。
そして教室では、先生の英語を聞き、自分で考えて答え、さらに質問される。
この両方を組み合わせることで、学習効果は大きく変わります。
小学高学年は「中学英語への橋渡し」の時期
小学高学年は、英語学習においてとても大切な時期です。
単語をたくさん覚えるだけではなく、
「聞いてわかる」「質問に答えられる」「自分のことを英語で話せる」
という力を少しずつ育てていきましょう。
英語は、覚えるだけの教科ではありません。
人とコミュニケーションをするための「ことば」です。
だからこそ、タッチペンで英語を聞く時間と同じくらい、人と英語でやり取りする時間を大切にしてほしいと思います。
小学高学年から「聞く・考える・話す」をセットで練習していくことが、中学校、高校、そしてその先まで続く、本当の英語力の土台になります。





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